予防接種 vaccination

予防接種の効果と副作用(子宮頸がんワクチン・麻疹風疹MRワクチン・ムンプスワクチン)

名古屋市の子どものインフルエンザ予防接種費用の助成事業指定医療機関になりました。
対象となる方など、くわしくはこちらをご覧ください。

予防接種の効果とは

予防接種とは、身体の仕組みを利用して病気に対する免疫をつけたり、免疫を強化するためのワクチン接種です。ほとんどの場合、一度感染症にかかると、原因である病原体に対して免疫ができます。身体に免疫ができることによって、再度感染症にかかりにくくなったり、万が一かかったとしても、軽症で済んだりします。

エマ婦人科クリニック名古屋栄では、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)・麻疹風疹MRワクチン・ムンプスワクチンを取り扱っております。以下でくわしく解説いたします。

このページの監修医師

エマ婦人科クリニック名古屋栄:仲川裕子院長の写真(女医)

エマ婦人科クリニック名古屋栄 
仲川裕子院長

2012年富山大学医学部医学科卒業。市民病院の産婦人科医長経験等を経て、エマ婦人科クリニック名古屋栄を開院。日本産科婦人科学会専門医。

目次

当院の予防接種と料金について

予防接種の種類 料金
シルガード9
(HPVワクチン9価)
30,000円(税込)/1回
ガーダシル
(HPVワクチン4価)
17,000円(税込)/1回
ムンプス(おたふくかぜ) 6,600円(税込)
麻疹 6,600円(税込)
風疹 6,600円(税込)
麻疹・風疹混合(MR) 9,500円(税込)

子宮頸がん予防ワクチンの助成

エマ婦人科クリニック名古屋栄で行っている子宮頸がんワクチンのガーダシル・シルガードについて、以下の対象の方は、名古屋市の助成にて接種することが可能です。

対象の方
  • ・名古屋市に住民登録がある方
  • ・小学校6年生から高校1年生相当年齢の女子
お持ち物
  • ・名古屋市に住民票があることがわかる公的な書類
  • ・保険証
  • ・シール式接種券
注意事項 高校生の方の接種は保護者の同伴が必要です。

キャッチアップ接種について

キャッチアップ接種とは、定期接種の機会を失った方に対する公費接種のことで、令和4年4月1日から令和7年3月31日までの期間限定接種となります。

  • ♦対象の方♦
  • ・名古屋市に住民登録がある方
  • ・平成9年4月2日から平成19年4月1日生まれの方で、子宮頸がんワクチン接種を3回完了されてない方

子宮頸がんワクチンとは

子宮頸がんワクチンとは

子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンがあります。国内で受けられるHPVワクチンは2価、4価、9価の3種類です。当院では4価のガーダシル、9価のシルガード9の接種を行っています。(サーバリックスは取り扱っておりません。)

HPVには、高リスク型HPVと低リスク型HPVがあり、以下のように発症するリスクのある病気が異なります。子宮頸がんワクチンは、主に子宮頸がん、陰茎がんの予防に役立ちますが、低リスク型のHPVにも有効な場合があり、尖圭コンジローマも予防可能です。

発症するリスクのある病気
高リスク型HPV 子宮頸がん、陰茎がん
低リスク型HPV 尖圭コンジローマ(性感染症、いぼ状の病変)

HPVは性交渉によって感染することが多いため、性行為を経験する前の接種がもっとも有効ですが、HPVの新しい感染の予防ができるので、性行為の経験がある方にも有効とされています。ただし、すでに感染している場合には、HPVを排除する効果はありません

当院では、婦人科検診にて、子宮頸がんの有無がわかる「子宮頸がん検査」も行っています。ワクチンを打つ前に検査を受けておきたいという方は、ぜひご検討ください。

ガーダシル(HPVワクチン4価)

ガーダシル(HPVワクチン4価)は、HPVの中でも前がん病変や子宮頸がんへ進行する頻度が高い16型・18型の感染を防げるワクチンです。さらに、子宮頸がんとは別の尖形コンジローマの原因となる6型・11型を含む4つの型に対して予防ができます。定期接種の対象となる小学6年生から高校1年生までの女性は公費負担で受けられるのでおすすめです。

シルガード9(HPVワクチン9価)

9価ワクチンはHPVの6、11、16、18、31、33、45、52及び58型の感染に有効であり、子宮頸がんの予防及びその前がん病変、尖圭コンジローマの予防に役立ちます。シルガード9価は、現時点(2022年8月現在)では公費接種の対象になりませんが、HPVワクチン4価よりも多くの型に有効であり、90%以上の子宮頸がんを予防すると推定されていることが大きな特徴です。

子宮頸がんワクチンの副作用(副反応)とは?

子宮頸がんワクチンに限らず、ワクチンには副作用(副反応)がでることがあります。子宮頸がんワクチンを接種することによって起こる軽度な副反応と重篤な副反応を紹介します。

軽度な副反応

注射した部分の痛み・腫れ・皮膚が赤くなる(約8割以上の方に生じるとされています)

注射による痛みや不安によって失神を起こす(迷走神経反射)

重篤な副反応

過敏症反応(アナフィラキシー、気管支けいれん、じんましん等)

ギラン・バレー症候群、血小板減少性紫斑病

急性散在性脳脊髄炎(ADEM)

参考:日本産科婦人科学会‖子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために

軽度な副反応にある、失神を起こすケースに対しては、ワクチン接種後30分間程度は椅子に座って経過を観察するのが望ましいとされています。気になることがあれば、当院でも診察ができるので、不安がある方は、お気軽にご相談ください。また、重篤な副反応として挙げられている症状は発生数自体が少なく、頻度も不明とされています。

そのほか国内でも全身の痛み、歩行困難、睡眠障害、記憶障害などが挙げられていますが「ワクチンが直接の原因ではないストレス反応」の可能性が考えられていて、日本産婦人科学会のホームページにも以下のように記載されています。

世界保健機構(WHO)は最近、ワクチン接種ストレス関連反応(ISRR:Immunization stress-related response )という概念を提唱しています。接種前・接種時・接種直後に見られる急性反応としての頻脈・息切れ・口喝・手足のしびれや、めまい・過換気・失神等、そして、接種後の遅発性反応としての脱力・麻痺・異常な動き・不規則な歩行、言語障害等の解離性神経症状的反応などが含まれています。ワクチンが直接の原因ではない症状も含む好ましくない事象(有害事象)とワクチンの接種に伴う免疫の付与以外の反応(副反応)を区別して評価することが重要です。
引用元:日本産科婦人科学会‖子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために

このように、副反応についての可能性があると「子宮頸がんワクチンを受けるべきか」と悩まれる方がいるかもしれません。ご家族・ご本人が納得して受けられるのが望ましいので、不安に思われる点があればいつでも当院にご相談ください。(HPVワクチンに関する情報は厚生労働省、日本産婦人科学会でも詳しく紹介されています。)

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ムンプス(おたふくかぜ)の予防接種とは

ムンプス(おたふくかぜ・流行性耳下腺炎)とは、飛沫や接触でウイルスを吸い込み感染する、唾液腺の腫れが特徴のウイルス性感染症です。幼稚園~小学校低学年頃の子どもに多い病気ですが、成人になってから発症するケースもあります

ムンプスに一度かかったことがあれば生涯の免疫ができるため、今までワクチン接種を2回行なっていない人、おたふくかぜに感染したことがない人が対象の予防接種です。生ワクチンは2回接種するのが有効とされていて、1回目を接種したら2回目は28日以上開けて行います。ワクチンの副作用としては、耳下腺炎、発熱、精巣炎などのおたふくかぜに感染した時と似たような症状を起こす場合があります。

ムンプスワクチンの禁忌

ムンプスのワクチンは、生ワクチンであり、接種によって胎児や母体に影響がでる可能性があります。接種後2か月間は、妊娠を避けてください。当院のブライダルチェックでは、ムンプスの抗体検査を受けられるので、過去に感染したことがあるかどうかを調べたい方は、ぜひご利用ください。

麻疹の予防接種とは

麻疹(はしか)とは、麻しんウイルスによって起こる全身感染症です。空気を介して、飛沫や接触でも感染し、感染力がとても高いとされています。

麻疹ワクチンの禁忌

麻疹のワクチンは、生ワクチンであり、接種によって胎児や母体に影響がでる可能性があります。接種後2か月間は、妊娠を避けてください。当院のブライダルチェックでは、麻疹の抗体検査を受けられるので、過去に感染したことがあるかどうかを調べたい方は、ご利用ください。

風疹の予防接種とは

風疹(ふうしん)とは、空気・飛沫で感染する、発熱と発疹が特徴のウイルス性の感染症です。

妊娠20週頃まで、特に妊娠12週までの妊娠初期の女性がかかると赤ちゃんにも感染し、「先天性風疹症候群」という耳・目・心臓などに先天性の障害を起こす可能性があります。妊娠中は風疹の予防接種を受けられないので、抗体価が低い場合や、小さいころに打った経験がない方は、妊娠する前に早めに打つことをおすすめします。

風疹ワクチンの禁忌

風疹のワクチンは、生ワクチンであり、接種によって胎児や母体に影響がでる可能性があります。接種後2か月間は妊娠を避けてください。当院のブライダルチェックでは、風疹の抗体検査を受けられるので、過去に感染したことがあるかどうかを調べたい方は、ご利用ください。

麻疹・風疹混合(MR)とは

MRワクチンとは、麻疹と風疹を予防するための混合ワクチンです。一般的には、1歳代と小学校入学前にワクチンを2回接種していることが多いのですが、未接種の方は当院で接種できます。

MRワクチンの禁忌

MRワクチンは生ワクチンのため、妊娠中、妊娠している可能性がある方は接種ができません。また、ワクチン接種後2か月間は妊娠を避けてください。1回目を接種したら、2回目は28日以上開けて行います。

QandA

予防接種のよくあるご質問

Q 予防接種とワクチンは違いますか?

A. 両者に大きな違いはありません。厳密にいうと、ワクチンは薬剤そのもののことで、予防接種はワクチンを接種することを表しています。ワクチン接種=予防接種で同じ意味となります。

Q 予防接種後に発熱することはありますか?

A. 副反応で接種部分に赤みや腫れ、痛みが見られたり発熱したりすることがあります。予防接種の種類や受けられる方の体調・体質にもよりますが、2~3日ほどで回復するケースが多いです。

Q 予防接種当日にお風呂に入っても良いですか?

A. 予防接種当日もお風呂に入って大丈夫です。ただし、熱すぎる温度や長風呂は避けてください。接種部分を強くこするのもやめましょう。

Q 医療費控除の対象になりますか?

A. 予防接種は、病気を治療するものではなく、予防をするものであるため、健康保険は適用されません。

3シート目に入っても大量の出血や激しい腹痛がある場合は、クリニックにご来院ください。ただし、以下の条件を満たしている方は、HPVワクチンを公費で接種できます。ぜひご確認ください。

・平成9年度生まれ~平成17年度生まれの女性(誕生日が1997年4月2日~2006年4月1日)※令和4年10月現在

過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない

参考:HPVワクチンの接種を逃した方へ

Q 持ち物や準備することはありますか?

A. 成人の場合でも母子手帳があると、どの予防接種を子どものころに受けているかどうかがわかるため、お持ちいただけると確認がスムーズです。予防接種の証明書・履歴表があればお持ちください。

INFORMATION

2024/03/18
4/2(火)は臨時休診日です。
※4月以降の診療時間は9:30~18:30(最終受付18:00)に変更となります。
2023/10/05
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